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数理パズルや、面白い定理、法則などを、楽しく紹介します!
2015年12月03日 (木) | 編集 |
今回は、前回の記事の後編にあたります

前回扱わなかったような、物理量などの細かい条件を提示してしっかり計算させるような問題を今回扱います

続きからどうぞ


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いきなりスケールの大きな問題です
この問題が、早押し問題として出題されたのは、結構驚きです

問題4

スーパーロボットが富士山と同じ高さのジャンプ台からスキージャンプした時の飛距離を計算しなさい

条件
・3776mの高さから滑り出し、踏切位置は高さ0mで仰角45°の方向にジャンプするものとする
・ロボットに加えられた位置エネルギーは、踏切地点で全て運動エネルギーに変換される
・ジャンプ台による摩擦、および空気抵抗はないものとする
・答えは整数で求めること



<解答解説>
数学と言うよりは物理の分野になりますが…
ロボットの質量を$m\mathrm{[kg]}$、地球の重力加速度を$g\mathrm{[m/s^2]}$、高さを$h\mathrm{[m]}(=3776\mathrm{[m]})$、踏切地点での速度を$v\mathrm{[m/s]}$とすると、
$mgh=\frac{1}{2}mv^2$
より、
$v^2=2gh$
また、速度$v$で45°方向に飛んだ場合、飛距離は$\frac{v^2}{g}$(詳細は省略)なので、
$\frac{v^2}{g}=2h=7252\mathrm{[m]}$

問題の難易度としては、理系の高校生なら普通に解けてもおかしくないレベルです
早押しなので、理屈は分かった上で、正確なスピード計算ができるかどうかの勝負です


次の問題は準決勝、制限時間3分です
問題5

ヒトとチンパンジーが進化の過程で分かれたのは今から何年前か、計算して答えなさい

条件
・生物は進化するにつれてDNAの塩基配列がわずかに置き換えられる
・進化の速度は環境に関わらず一定であり、突然変異は考慮しない
・ヒトとチンパンジーでは、置換された塩基に重複はないものとする
・ヒトとチンパンジーの共通祖先と、オランウータンが分岐したのは1300万年前、塩基の置換割合は2.98%
・ヒトとチンパンジーの置換割合は1.44%とする
・答えの単位は~年前とし、有効数字3桁で解答すること



<解答解説>
1300万年前、「ヒトとチンパンジーの共通祖先」と「オランウータン」が分岐し、1300万年間それぞれが少しずつ少しずつ進化し、それぞれの塩基配列が独自に少しずつ少しずつ置き換わったことで、現在「ヒト」と「オランウータン」は全体の2.98%分塩基配列が異なっているわけです
(つまり残りの97.02%は、ヒトもオランウータンも全く同じ塩基配列です)

チンパンジーとヒトは、1.44%しか違いがないので、分岐したのもそれより最近だということになります

進化の速度は一定なので、あとは単純な計算で
$1300\times\frac{1.44}{2.98}=628$
$628$万年前、$6.28\times10^6$年前と求まります

置換割合という言葉が少し分かりにくいですが、差異がある割合のことだとわかってしまえば、あとは3分以内に正確に計算しきれるかだけの勝負ということになります
割る数が3桁ですし、計算自体もそんなに楽ではないとは思いますが…



ここからは決勝戦の問題!
問題6

月の公転が止まった時、月は地球に時速何kmで落ちてくる?

条件
・地球の質量は$5.97\times10^{24}\mathrm{[kg]}$、月の質量は$7.34\times10^{22}\mathrm{[kg]}$
・月の質量は地球の質量に比べて軽いため、地球は静止しており、月が地球に万有引力で引っ張られると仮定して良い
・月と地球の距離は$3.84\times10^5\mathrm{[km]}$(月の中心と地球の中心の間の距離)
・万有引力定数は$6.67\times10^{-11}\mathrm{[m^3/kg・s^2]}$とする
・月の半径は$1.73\times10^3\mathrm{[km]}$、地球の半径は$6.36\times10^3\mathrm{[km]}$とする
・$6.36+1.73=8$、$6.67\times5.97=40$、$\sqrt{97.9}=9.9$としてよい
・月が地球と接触する瞬間の速さを求めるものとし、有効数字2桁で解答



<解答解説>
地球の質量を$M\mathrm{[kg]}$、月の質量を$m\mathrm{[kg]}$、地球と月の中心間距離を$R\mathrm{[m]}$、地球と月の半径合計(=衝突時の中心間距離)を$r\mathrm{[m]}$、万有引力定数を$G\mathrm{[m^3/kg・s^2]}$、衝突時の速度$v\mathrm{[m/s]}$とすると、力学的エネルギー保存則より、
$-G\frac{Mm}{R}=\frac{1}{2}mv^2-G\frac{Mm}{r}$
$v^2=\frac{2GM}{r}-\frac{2GM}{R}$
条件の値を単位に注意しつつ代入して、
$v^2=97.9\times10^6$
$v=9.9\times10^3\mathrm{[m/s]}=3.6\times10^4\mathrm{[km/h]}$

万有引力による位置エネルギーを覚えていなければ、解くことが難しくなるかもしれませんが、解答者たちは覚えていたものと思われます
間違えた方は、単位や桁の変換ミスがありましたが、正解一歩手前までは来ていました


問題7

時速171kmでボールを投げると、どのくらいの時間で地球を1周して戻ってくる?

条件
・地球一周の距離は40075km
・空気抵抗及びボールの落下は考えないものとする
・1秒未満の数値を切り上げ、何日何時間何分何秒の形で解答すること



<解答解説>
落下を考えないならそのまま直進して宇宙空間に行ってしまうのでは?とも思いますが、素直に地球外周に沿うと考えれば、単純に「40075kmを時速171kmで進むとどれだけかかるか」という問題にすぎません
割り算して余りを60倍してまた割り算、単純な単位換算の問題です
答えは9日18時間21分25秒です



この記事でも最後、番組でも最後の問題!
問題8

ラグビー日本代表がスクラムを組んで、16両の新幹線を動かすとしたら、何チーム必要?

条件
・1つのスクラムには8人の選手が参加し、その合計体重は872kgとする
・選手は自分の体重の1.9倍の重量を押すことができる
・新幹線16両の重さは708t
・新幹線とレールの静止摩擦係数は0.16



<解答解説>
最後の問題にしてはそんなに難しい問題ではありません
新幹線とレールの静止摩擦係数が0.16ということは、新幹線に、新幹線の重さの0.16倍の力をかければ、動き出すということです
$708\times0.16=113.28$
つまり必要な力は$113280\mathrm{[kgf]}$
一方1つのスクラムが出せる力は、$872\times1.9=1656.8\mathrm{[kgf]}$なので、
$113280\div1656.8=68.4$より、切り上げて、正解は69チームとなります



え~、前編後編と長々と書いてみましたがいかがでしたでしょうか

テレビ番組に対しての記事という初めての試みなので、どう受け止められるかわからず少々不安です

もし誤解されていたら困るので改めて書いておきますが、面白い番組でとても楽しめましたし、出場者達は本当に凄いと思っていますよ!批判する意図は全くありません!


ではでは

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テーマ:数学
ジャンル:学問・文化・芸術
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